今回は読者の期待や世界観を裏切ってくるような作品が好きな方におすすめの小説をご紹介します!
目次
「ルビンの壺が割れた」宿野かほる〜神様ゲームのようなサイコ感
なかなかインパクト強めのタイトルのこの作品、一言で言ってやばいです。二人の男女のチャット形式で物語が進んでいくので、難しい比喩がなかったりとシンプルな構図なのですらすら読めますが、満足感は半端ないです。
このブログでは過去に「神様ゲーム」という小説をご紹介しましたが、それに近いような不気味さやサイコ感があります。
徐々にダークに引きずり込まれる世界観〜上げて落とすスタンス
物語の始まりごく普通の文章から始まります。
中盤は、「ん?過去に何かあったのかな?」ぐらいの疑問が生じます。で、終盤、一気にヤバくなります。クライマックスの展開が早く、僕は2日くらいで読んじゃいました(笑)。
誰かに話したくなる!けどネタバレ厳禁!
何かしらの衝撃を受けたとき、それを誰かに話したいと思う人はきっと多いことでしょう。その原理に基づけば、きっとこの作品の最後のページを閉じたときも同じような感情が生まれると思います。
しかしそのときにうっかりネタバレをしてしまうのには注意しなくてはいけません。是非、その相手にもなにも知らない純粋無垢のまま、ルビンのダークな世界の中に飛び込んでもらいましょう(笑)。きっと読み終えたあと、ムンクの叫びのような顔をして話しかけて来るでしょうから、そのときはムンクの先輩として受けてあげましょう(笑)。
まとめ、最後に
著者の宿野かほるさん、プロフィールを一切公表せずに活動しておられる覆面作家さんです。作者もミステリアスということで、より一層作品のミステリアスさがますような気がします。
そんな宿野さん、「ルビンの壺が割れた」の翌年に「はるか」という作品を出版しています。僕の家にはそれが本屋で衝動買したときのまま置いてありますが、ひょっとしてそれは1ページ目を開く勇気が僕にないからなのかもしれません(笑)。僕の部屋は僕の部屋ですか?