- 第33回小説推理新人賞受賞
まえがき
※この記事はネタバレが無いように気をつけて書かれています!(^o^)
目次
小林由香「ジャッジメント」
度数(〈低〉1~5〈高〉)
※あくまで個人的見解です。(^o^)
- ブログ主お気に入り度数: 4
- 難しい表現:3
- 感動:4
- 切なさ:5
- 怖さ:3
- グロテスク:5
- 重さ:5
- 展開の意外性:5
- ギャグ要素:1
- 読後の感情:やりきれない、切ない、悔しい、満足感
あらすじ
大切な人が殺された時あなたは「復讐法(ふくしゅうほう)」を選びますか?
大切な人を殺された者は言う。
「復讐してやりたい」と。
凶悪な事件が起きると人は言う。
「同じ目にあわせてやりたい」と。
犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。
目には目を歯には歯をー。
この法律は果たして被害者(ひがいしゃ)とその家族を救えるのだろうか!?
ブログ主が感じた魅力3選!
魅力1.重く切なく読むだけでも苦しくなる。そして考えさせられる。
「ジャッジメント」の主題となっている「復讐法(ふくしゅうほう】」とはつまるところ、殺人事件などの被害者遺族が自らの手で行う「死刑」です。
大切な人が殺されればきっと誰もが
「殺してやりたい。」
という復讐心を持つことでしょうが、その復讐が実際に法律に許され堂々(どうどう)と行うことができたとして、果たしてそれが本当の解決と言えるのでしょうか?
やられたらやり返す。
(半沢直樹ではありませんよ♪笑)
恐らく人の心とはそんなに単純なものではないのでしょう。
重く切なく、とても楽しい物語とは言えませんが是非(ぜひ)読んでいただきたい一冊になっています。(^o^)
魅力2.大切なものは失ってからそのありがたさに気付く。それがわかる。
この小説を読んでいるとき、僕は物語を自分に当てはめて考えてみました。
「もしも自分の家族がこんな残酷(ざんこく)なことをされたあげく、殺されたとしたらどうだろう?」と。
僕は復讐するかもしれませんし、しないかもしれません。
その問題は脇に置いておいて、もう一つ思うことがありました。
それは大切な人がいることのありがたさです。
大切なものは失ってからそのありがたさに気付くというのはよく言われることです。
しかし僕ら人類は想像することができますから、できれば失う前に気付きたいものです。
あなたも「ジャッジメント」を読めばきっと大切な人がいるありがたさを改めて知ることができるでしょう。(^o^)
魅力3.一話完結型なので内容が重くても読みやすい!
これまででご紹介してきました通り、この「ジャッジメント」はかなり重い内容となっています。
しかしこの小説は一話完結型(いちわかんけつがた)となっているので重い内容が苦手な方は、気になる章だけをつまんで読んでみるのもいいと思いますよ。\(^o^)/
それぞれの章の概要
- 第1章 サイレン:被害者遺族と加害者遺族
- 第2章 ボーダー:憎(にく)しみ合う親子、呪縛(じゅばく)
- 第3章 アンカー:心無い誹謗(ひぼう)中傷、複数人の復讐法選択権利者
- 第4章 フェイク:洗脳
- 第5章 ジャッジメント:力なき子供が受けた酷(むご)い仕打ち
ブログ主がおすすめする章
どの章も違う魅力があってできることなら全て読んでいただきたいところですが、重い内容が苦手で全部は読めないから少しだけ読みたい、
「つまみ読みをしたい!」
と言う方に向けて僕が個人的におすすめしたい章を2つ挙げます。
- 第2章 ボーダー
- 第5章(最終章) ジャッジメント
特に最終章のジャッジメントは、主人公の感情が最も激しくなる章でもあります。
主人公を含めた、人の感情と内容とが相(あい)まって読者の感情を揺(ゆさ)さぶるのです。
おすすめの2つの章の中でも、特に第5章のジャッジメントは
「ここだけでも読んでほしい!」
とおすすめしたい章であります。(^o^)
あとがき(上手くまとめられなかったことなど)
「ジャッジメント」の内容は決して楽しいものとは言えません。
とても悲しくやりきれない物語です。
しかしこの小説の世界で起きているような凶悪(きょうあく)な事件は、我々が暮らす現実でも実際に起こっていることです。
そんな凶悪な事件に多くの人は一生の内で関わることは無いでしょうが、僕がこうしてキーボードを叩いている今も世界のどこかでは、発狂(はっきょう)したり叫(さけ)んだりしている人がきっといるはずです。
もちろん僕は僕の人生を精一杯生きるまでですが、そういった世界の暗い闇の部分にもしっかりと目を向けて進んでいきたいものです。
この小説「ジャッジメント」はエンターテイメントとしての面白さを読者に与えてくれるのと同時に、なんとも考え深い暗い気持ちも与えてくれます。
そんな暗い想像の世界をあなたも体感してみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
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